[記事514] 健康でいられるだけで

「アドさんは健康優良児やね」
そう言われた時、
ちょっといじられてるな・・と感じた。

悪い気はしないけど、なぜか
気恥ずかしい思いをしたのはどうしてだろう。

そう。私の取柄は健康だ。

ただ、それが空気を吸うぐらい
当たり前の事だったので
感謝するのを忘れていた。

そう言ってくれた友人は
今、病の床に臥せっている。

「アドさんは健康優良児やね」
そう言った彼女の気持ちを
これまで考えもしなかった自分を
恥ずかしく思う。

本当なら、今日のこの時間、
彼女と談笑しているはずだった。

いつものようにお茶を飲み、他愛もない話から世情の話まで
二人で取り留めもなく話す予定だった。

時には、意見が対立することもあったけど、
それでも最後は笑って別れた。 

前回彼女の所にお邪魔した時。
いつもなら、玄関の前で手を振って別れるのに
その日はなぜか、玄関の外へ出てきて、
いつまでも見送ってくれていた。

どうして、今日に限って・・?

後ろ髪を引かれる思いと
胸に広がる不安を振り払って
大丈夫。また会える・・そう自分に言い聞かせながら
その場を後にした。

彼女とは、昔からの友達のようだけど、
知り合ってまだ3年だ。

実際より長い期間一緒にいたような気がするのは
付き合いの密度が濃かったせいだろう。

一緒にランチをしたり、映画を観たり・・
それ以外にも、たくさん行動を共にした。

彼女をひと言で言うと、ピュアな人だ。

スピリチュアルや神さまや
パワースポットが大好きで

「呼ばれた人しか行けないんだって」という
甘い誘いに乗せられて、人里離れた玉置神社まで
山道をうねうね3時間も運転して
お参りに行ったこともあった。

その時彼女が、何を祈っていたのか・・
長々とこうべを垂れて
手を合わせていた姿は
今も脳裏に焼き付いている。

向上心も高かった。

渋る私を、自己啓発系のセミナーに
何度か誘ってくれたこともあったし、
彼女の参加する朝活グループに
招待してくれたこともあった。

さすがに、朝が弱い私に継続は無理だったので
一度だけ顔を出し、それ以降は丁重にお断りした。

その辺りから、会う回数は減ったけど、
関係が冷え込むことはなく
月に一度ぐらいのペースで、時には
他の友達を交えながら会っていた。

だから、当然これからも
ちょうどいい距離を保ち
心地いい関係が続くものと思っていたのに・・

先月会った時には、血色もよく元気に見えた。

「西洋医学的に見て、あまり望みはないらしいけど、
私自身は、治る気しかしないんだ」と
気丈に笑った。

そして、
「アドさん、タルト好きだったよね」と
私のために買ってきてくれたタルトを一緒に食べた。

「ゆっくりだったら、食べられるねん」
そう言って、小さく切った一口を
ゆっくり口に運んでいた。

彼女がそう言うのだから、きっと奇跡は起きる。

私も、その時そう信じた。

今もきっと諦めていないと思うから
私も諦めないで祈っている。

「アドさんは健康優良児やね」
時間が経てばお腹が空き、
美味しいと感じられる幸せは
全ての人に与えられたものではないから
この幸運を大切にしなければいけない。

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