[記事103] 熱帯魚ララの決心 ~後編~

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深呼吸できる私になる
コアマインド開放
心理セラピストのADOです。

では、お話の続きです。

*********

ララの心の中は
相反する
二つの選択の間で
揺れ動いていました。

海で生きるか
オーナーの元へ帰るか…

海に潜れば
魚としての
本来の生活が送れます。

仲間にも
会えるだろうし

なんといっても
この目で
海の中の景色が
見てみたいし

 でも、

たとえ
それが出来たとしても
オーナーに
一言も言わずに
姿を消すのは

やはり
してはならないことに思えました。

今ここで
すぐに
答えを出さなきゃ
いけないのだろうか…

そんな
ララの迷いを察したのか
決断できない
ララの態度に
業を煮やしたのか

漁師は
ちょっと
怒ったように
立ち上がりました。

「そんなに迷うのなら
 無理に
 海に入らなくていいよ。

 ララが
 喜ぶかと思って
 連れてきたけど

 そうじゃないなら
 オーナーのペットとして
 今まで通り
 暮らせばいい。」

そう言うと
ララの水槽を車に乗せて
もと来た道を走りだしました。

車の中で
ララは
ホッとしたような

でも
漁師の期待を裏切ったことに

なぜか
自分までが
傷ついたような
気持ちになり

うつむくことしか
できませんでした。

まだ
オーナーの帰っていない
がらんとした家に

漁師は
ララの水槽を
静かに置くと
「じゃあ、元気で」
と言い残して
去っていきました。

一人残されたララは

もう
漁師は来てくれないのだろう…
そんなことを
ぼんやりと考えていました。

いつもの時間になり
オーナーが
帰ってきました。

当然
昼間のことを
知らないオーナーは
いつものように
屈託のない笑顔を見せます。

「ただいま、ララ。
 さあ、いつもみたいに
 綺麗に泳いでみせて。」

いつもなら
そう言われると
嬉しくなって
張り切って泳ごうと思うのに

なぜか
このときは切なくて
泳ぎも
ぎこちなくなって
しまうのでした。

胸が締め付けられる
呼吸が浅くなる…

ララが
否定すればするほど
海への想いは
膨らんでいきました。

・・・・

どれだけの時間が過ぎたのか
ララには
見当もつきませんでしたが

あのときに見た
海の光景が
頭の中から
離れることは
ありませんでした。

ひとり
海を想い
胸が苦しくなる
そんな毎日を
過ごしていたある日

また
見かけない顔が
水槽の前で立ち止まりました。

旅の途中で
通りがかったという
詩人でした。

詩人は
水槽の中の
ララを
覗き込むと
心配そうな顔つきで
言いました。

「あなたは綺麗だけど
 泳ぎ方が
 どこか
 ぎこちないね。
 具合でも悪いの?」

ララは
心の中を見透かされるのが
こわくて
思わず
うつむきました。

自分の考えていることは
誰にも
知られてはいけないと
思っていたからです。

詩人は
しばらく
ララのことを
心配そうに
見守っていましたが

やがて
やさしく微笑んで
話しかけてきました。

 「あなたには
 心にひっかかっていることが
 あるみたいね。
 ずいぶん
 苦しそうに見える。

 もうこれ以上
 ひとりで抱え込まなくても
 いいんじゃない?

 今だけ
 わたしに
 そのことを打ち明けてみたら?

 わたし
 お話を聞いて
 心を軽くしてあげることが
 得意なの。

 心配しないで。
 ふたりだけの秘密にするからね。」

その言葉を聞いて
ララの
固く閉ざした心のドアが
少し開きました。

そこから
新鮮な空気が
流れ込んできて

それから
ポツリポツリと
心の中にあることを
語りはじめたのです。

気がつけば
今日初めて会った詩人に
詰まっていた思いを
吐き出していました。

自分でも
気づかないうちに
涙をこぼしていました。

それは
悲しくて流す涙ではなく
やっと
自分をわかってくれる人に
出会えたことに対する
安堵の涙でした。

そして
次は
それまで静かに聞いていた
詩人が話す番でした。

「ララ、
 あなたが感じていることは
 決して悪いことじゃない。
 あなたが感じていることを
 悪いと判断することは
 誰にもできないの。
 心はみんな自由だから。

 そして
 あなたが感じている
 その思いは
 間違いなく
 あなたそのものだから
 認めてあげてほしいの。

 そうしないと
 あなた自身が行き場を失ってしまう。」

この言葉を聞いて
ララの心は決まりました。

海で暮らしたいと思う気持ち。

漁師に
もう一度誘われたら
きっと
今度は
断らないと思う気持ち。

もし、
離れることがあったとしても

オーナーのことは
ずっと慕い続ける気持ち。

それらすべてが
偽りない気持ちなのだから

すべてを
受け入れよう…

そう思ったら
新鮮な空気が欲しくなり
深く
深呼吸をしていました。

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