[記事101] 熱帯魚ララの決心 ～前編～
深呼吸できる私になる
コアマインド開放
心理セラピストのADOです。
今日は
わたしが
ふと思いついて
書き下ろしたお話を
ここに
掲載したいと思います。
ひょっとすると
あなたにも
重なるところが
あるかもしれませんね^^
題して
「熱帯魚ララの決心」
はじまり、はじまり♪
ララは
水槽の中で生まれた熱帯魚
外の海を知りません。
同じように
養殖された仲間とともに育ち
美しく成長した時点で
あるオーナーに買われていきました。
オーナーは
ララの
美しい模様と優雅な泳ぎ方に
魅せられ
大きな水槽の中で
決して
ララに
窮屈な思いをさせないように、と
配慮しながら
大切に大切に育ててくれました。
ララがしていることと言えば
いつも
仕事から疲れて帰ってくる
オーナーの心を癒したり
時折やってくる人たちに
美しい模様と
優雅な身のこなしを見せて
喜んでもらうこと。
それが
ララが知っている世界の
全てでした。
そんな生活が
何年も続いたある日のこと。
見慣れない顔の漁師が
フラッと
水槽の前に現れました。
漁師は
しばらく
ララの美しい泳ぎを
眺めていましたが、
やがて
少し憐れんでいるかのように
こうつぶやいたのです。
「かわいそうに…
水槽の中だけで
まだ一度も本当の海を
見たことがないなんて…」
ララが
その言葉にびっくりして
泳ぎを止めると
今度は
「本当の海がどんなものか
見せてあげようか」
そう言ったかと思うと
ひょいっと
ララが入った水槽を持ち上げて
車の助手席に乗せると
走り出したのです。
何時間か
車に揺られて着いた先は
漁師が暮らす
太平洋の浜辺でした。
そこで
ララが目にしたものは
どこまでも続く
白い砂浜と
その向こうに横たわる
碧い碧い海でした。
砂浜に座る
漁師のとなりで
ララは
水槽の中から
絶え間なく
寄せては返す
波のしぶきと
太陽の光を受けて
キラキラと輝く
太平洋の大海原を
息をするのも
時間がたつのも
忘れるぐらい
長い間
じっとじっと
見つめていました。
そこには
これまで
想像すら
しなかった世界が
無限に広がっていたのです。
ショックを受けている
ララのとなりで
漁師は
静かに語りはじめました。
海は
静かで穏やかなとき
ばかりではなく
ときには大暴れして
人の生活も
命も
なんでも
飲み込んでしまう力が
あること。
生きて帰ることの
できなかった漁師たちも
数えきれないほど
いるということ。
自分も
何度も危険な目に合い
なんとか
ギリギリのところで
生き延びた経験があること。
でも
そんな厳しい面と
同時に
たくさんの恵みや
生きていくエネルギーを
与えてくれるのも
また海なのだと…
熱っぽく語ったあとに
こう
問いかけてきました。
「魚として生まれて来たのに
このまま
海を知らないまま
命を終わってしまって
本当に
後悔しないの？」
その問いかけは
ララの胸に
深く深く突き刺さり
どんなに抵抗しても
抜き去ることのできない
大きな棘のように
感じられました。
ララの心の中は、
ここで
海に入ってみようかな
もしも
天敵に会って
その場で
命が終わったとしても
本物の海に
入ることができるのなら
それはそれで
幸せなのかもしれない…
という願望に似た気持ちと、
一方で
今日まで
自分を大切にしてくれた
オーナーのことを
裏切っているのでは？
と思う気持ちとの間で
ひどく
葛藤していたのです。
わたしが
突然オーナーの前から
何も言わずに
姿を消したら
きっと
悲しむに違いない
でも
もし今
このチャンスを逃したら
もう2度と
海には
入れないのかもしれない…
・・・・
さて、
このあと
ララはどうしたでしょうか？
お話の続きが知りたい人は
次回もまた
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あど＠心理セラピスト (id:ado-therapy)
